Please wait until thick shadows come.
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悪夢
2010.02.14 (Sun) | Category : DQ6:ss
悪夢と6主 ×、っていうか普通に と、っていう方向で・・・。
ごぉーん、ごぉーん、と息が詰まりそうな音がどこか遠くで鳴っている。これは鐘の音だ、とレックは思った。夢の世界でレイドックの兵士選抜の時に、その召集を告げる鐘。それ以外にレックは鐘の鳴る音を聴いた事が無い。
それなのに、どうしてこんなにも息が詰まるのだろう。心臓が早鐘のように鳴り打ち、身体には嫌な汗が吹き出る。喉が軋んで声が出ない。
「あれはお前の妹が死んだ弔いの鐘だ」
忘れてしまっただろう? とどこからか聞こえてくる声はそう言った。どろりと濁った空気の中、生温い空気だけがどこかから吹き込んで来ている。人の話す声、彼女が死んだことを悲しむ声、哀れむ声。おかわいそうに、セーラ様。まだお若いのに。あんなに元気だったのに。愛されていたのに。
それを、何か布のようなものに包まって、俺はそれをどこか遠くで起こっているもののように聞いている。俺? 俺じゃない。僕だ。僕、だけが。
「・・・セーラ」
「そうだ。お前の妹だ。お前と血の繋がった、唯一無二の、偽物の妹などと比べ物にならないぐらい、お前の大切な、お前が最も大切にしようとしていたお前の妹だ。その葬式を行なうことを告げる鐘が鳴っている。お前は妹の屍骸に別れの言葉を言いに、教会に行かなければならない。もうすぐメイドがやってくる」
重苦しい鐘の音が止まない。ベッドの上で涙を堪えて妹の死から目を逸らし続けようとする小さな子供の姿ある。それを遠いところで見ている。
俺と、悪夢を統べる悪魔が。
「あれが、お前の原型の悪夢だ。あの子供は毎日毎日、それこそあの田舎の村に引きこもっている間もずっと、ただひたすらに妹の死を夢想して苦しんでいた」
お前には無いのか? 悪夢はそう耳元で囁く。
「やり直したいと思う日々は。力が及ばず手が届かなかったことは」
お前の、その苦しむ姿が見たい。そう言って男は笑った。
ダメだ。没った。横の広告がころころ変わりすぎて気になって書けない。
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