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Please wait until thick shadows come.

DQ6メインのDQ雑多ブログ

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2025.04.19 (Sat) Category : 

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わーお

2010.01.25 (Mon) Category : DQ6:ss

「ついに発売まで3日かぁ」
「長いようで短かったですね」
「ルイーダの酒場も同じ日に開店だろ?」
「カウントダウンしようとか思ってた女はどこに消えたんだろうな」
「ああーなんか緊張してきたっ!」
「落ち着いて。時間はもう止まらないから」
「新システムとかどうなってるんだろうなぁ」
「今度はいっぱいお喋りできるねっ!」
「裏ダンジョンとかできるんですかね?」
「移民の街・・・とかはやっぱりあるのかね」
「ついに6にも移民の街できるのかぁ?」
「とりあえず夢世界だと思うけど・・・夢暴露大会ってどうなるのかしら」
「そういう名前じゃなかったと思うけど・・・」
「第一回夢暴露大会!」
「一足早いっ!」
「テリーの夢は?」
「勿論最強の剣を」
「あら、私を探すんじゃなかったかしら?」
「・・・・・・ううっ」
「ミレーユが古傷を抉ってる!」
「躾してる!」
「テリーはいじめられっこ体質から抜け出せねぇなぁ」

折りたたみで ミレーユ×6主

 しゃっ、しゃっ、と砥石でナイフを研ぐ音が室内に響いていた。ごろりとベッドの上に寝転がり、天井の木目を目で追いかけていたレックは、しばらくその音を黙って聞いていたが、ふと気になって身を起こした。向かいのテーブルの上に広げられたミレーユの生活用品が丁寧に手入れされて並べられていた。占い用の水晶が、その中でも特別に大切そうに、藍色の布に包まれて置かれている。
「ミレーユは旅慣れてるよな」
「・・・そうかしら」
 レックの呟きに顔を上げて、ミレーユは透明な蒼色を湛えた瞳を向かいに座る青年へ向けた。砥石で磨かれたナイフが白銀色に光沢を放っている。レックはそれがつい一昨日林檎を剥くのに使われたのを見ていたが、それは何の躊躇いも無く昼間に襲ってきた魔物の頸椎を刺し穿ったものだ。旅をするには物があまりあると不便だ。動くのに邪魔になる上、管理も難しくなる、とミレーユはよく言って、旅の準備をするレックをたしなめる。
 レックが「魔物を倒す道具と食事に使う道具は流石に分けたい」というと、ミレーユは少し楽しそうに笑って、「育ちの違いね」と言う。レックは農村生まれだったのでミレーユとはあまり大した差はないと思ったが、良く考えればミレーユはあの占いに卓越した老婆と二人暮しだったのだ。少し逞しいのかもしれない、と思う。以前は躊躇いなくイモリを焼いたものに噛み付いていたし。
「あの、グランマーズ・・・の所に居た前とか、旅、してたのか」
「・・・そうね。ええ。してたわ。仲間とね」
「へぇ」
 秘密主義のミレーユだが、何故かこのときはつっかえながらも答えてくれた。それがレックには嬉しい。ミレーユの考えに自分の思考が追いつかないのは仕方がないが、少しぐらい考えさせる余裕を持たせてくれるかのような会話をしてくれると、認めてくれたのだろうか、と思う。別に認める、認めないの話ではないが、ミレーユがレックに対して距離を置いているような気がして、レックはそれが嫌だった。
「どんな人達と旅してたんだ?」
「一人は私とそう大して変わらない、元町民よ。大工の家の出でね、優しいけれど見た目が怖くて、たまにそのギャップに驚くことがあったわ。凄く繊細なところもあるし」
「ふぅん・・・ハッサンとちょっと似てる?」
「あら、分かるの」
 レックは肩を竦めて、いや、と首を振る。
「優しいけど見た目が怖い、ってのが同じかな、と思って。でも繊細じゃないよな」
「そうね。ハッサンはね」
 ミレーユは少し含みをもった笑いを零す。レックが不思議そうに首を傾げると、それを無視して「もう一人はね」と言葉を続けた。
「育ちの良い青年だったわ。私よりちょっと年下で、でもとても、素晴らしい人だった。誇りがあって、思いやりがあって、彼がいるだけでどこにでも行ける、って信じてしまうぐらい、格好良い人よ」
「へぇ、会ってみたいな。ミレーユにそこまで言わせるなんて」
「ええ。私ももう一度会いたい。でも、しばらくは無理ね。遠いところに行ってしまったらしいし。彼はね、レックに似てたわ」
 ミレーユの思いがけない言葉に、レックはきょとん、と目を見開いた。似ている、と唇だけでその言葉をなぞってから、レックは小さく笑った。
「褒めてもらってるんだよな?」
「勿論。貴方も私に勇気をくれるわ。たまに振り回された気分にもなるけど、堂々としていて、とても格好良い」
「・・・照れるな」
「ふふふ」
 ミレーユはそっぽを向いて頭をかくレックを眩しそうに見つめ、そっと笑みを零した。
「彼は私の希望の光だった。ああいう人がいっぱい居たら、って本当に思ったこともある。でも、彼にはそれが、重みになっていたのね」
「重み、」
「プレッシャーだったのよ。彼は、凄く優しいから、その期待に答えようとした。でも彼はまだ若くて、それを受け止められるだけの強さが、まだ完成してなかった。だから、溢れて、零れた。そのせいで彼は、酷い目にあってね」
 遠いところへ行ったの。そう言ってミレーユは区切った。その男を回想するというよりは、自分を責めるような声音で、レックは眉間に皺を寄せる。
「死んだわけじゃないんだろ」
「ええ。きっと、生きてるわね。強い人だもの」
「じゃあ、大丈夫だよ。ミレーユの信じた強い人だろ?」
 ミレーユがレックを見れば、彼はにっと力強く笑ってミレーユを勇気付ける。
「ミレーユの信じた人が、弱いわけないだろ。だからすぐに立ち直って、もう一度ミレーユに会いに来るよ」
「・・・・・・・・・・そうね」
 ミレーユは本当に嬉しそうに、心の底から喜ぶように笑った。邪気のない少女のような笑顔でレックに向けて微笑む。そんなミレーユを満足そうに見つめ、レックもほころんだ。と、困ったように肩を竦めて、「可愛い笑顔はいいんだけど」と引き攣った声を上げる。
「とりあえず、ナイフを置いて欲しかったかな」
「あら」
 可愛らしく微笑むミレーユと研ぎたての鋭いナイフが妙にマッチしてどうにも怖ろしい絵にしかならない、とレックが言えば、ミレーユは今度こそ声を上げて笑った。たまにはそんなミレーユもいいな、とレックは内心呟きながら、いつか出会うであろうミレーユの信じた男を夢想して笑った。
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