Please wait until thick shadows come.
DQ6メインのDQ雑多ブログ
ドランゴと●●シリーズ
2009.12.12 (Sat) | Category : DQ6:ss
お遊びでやってみる。ドランゴ視点のほのぼのでここの6メンバー紹介・・・のような?
ドランゴは♀ならいいなぁと勝手に思っていますが、DODというゲームのようにドラゴンに性別は無いものとしています。(公式で出ない限りは)・・・・♂とか♀とか言われてない・・・ですよね?
第一回は6主。つまりレックです。
ドランゴは♀ならいいなぁと勝手に思っていますが、DODというゲームのようにドラゴンに性別は無いものとしています。(公式で出ない限りは)・・・・♂とか♀とか言われてない・・・ですよね?
第一回は6主。つまりレックです。
ドランゴはレックが好きだった。バトルレックスという種族の性質で、強いものしか信用しない気高い生き物であるが故に、最も敬愛するテリーを打ち負かした存在、と言われれば好きにならない訳が無かった。その上レックはパーティの中で唯一ドラゴン職についているので、ドランゴはレックから常にドラゴンの空気を感じ取っており、たまに同種族に対するように接することさえあった。テリーが一番好きだろうと言われていたらが、最も身近に感じていたのはレックかもしれなかった。
宿屋に泊まるときパーティメンバーでありながら魔物であるドランゴは厩舎に置かれた馬車の中で大人しくしているしかなかった。ルーキーなどの小さな魔物はレック達の持つ荷物袋に潜んで部屋まで行けるのだが、いくらなんでもドランゴは大きすぎた。ふかふかのベッドなどというものはレックの地元であるレイドックでしか味わえないものだ。
いつもの通りに馬車の中で丸くなっていると、その扉に値する布がばさりと捲られて、レックがひょこりと頭を覗かせた。手には分厚い肉の塊を乗せた皿を持っていて、ドランゴが目を覚ましていることに気が付くとにかっと笑ってほら、ご飯と言いながら馬車の中に乗り込んでくる。
「この村って上質の肉が取れるらしいから、奮発して買ってみたんだけど、美味いかな? 今日はドランゴにすっごく助けられたし、お礼がどうしてもしたくてさ」
そう言ってドランゴの顔の前にごとりと皿を置く。外側だけを焼いた完璧なレアだ。ドランゴの好みを把握している。
ドランゴはふんふんと小さな鼻を動かしてその肉の匂いを嗅いだ。喋られずとも一応人間の言語は少しは理解できた。どうやら美味しい肉らしい。匂いで違いを判別してみようかと思ったが、やはりそれには大した匂いは無いらしい。
「レアで良いよな? 俺はドラゴン職についてた時はミディアムとかより生肉の方がなんか美味く感じたんだけど、やっぱり人間の舌とドラゴンの舌って違うのかな? 胃も頑丈になるし、ドラゴンってやっぱり凄いよなぁ」
どうやらドランゴが食べ終わったあとの皿を持っていくまでここにいるつもりらしい。ドランゴはレックが離れるのが寂しかったのでゆっくり食べようと考えついて、肉の塊をのんびり味わって咀嚼しようとした。人間の好きなように加工されているせいでドランゴが好きな血生臭さがあまり無くて少しがっかりしたが、上質なのは確かなのか、ドランゴはのんびりと舌鼓を打つ。
「美味いか?」
「グルルル・・・」
喉を鳴らせばよかったぁ、とレックはほっとしたように笑う。寝転がるドランゴの背に凭れかかり、しばらくじっとしていた。何かしたのだろうかと思う反面、どうせ喋れないのだという諦めのせいでドランゴは目の前の食事にだけ気をつかおうと決めた。レックはしばらくドランゴの背に寄りかかっているかと思うと、なぁドランゴ、とぽつりと聞いた。
「やっぱり人間が食いたくなったりするのか?」
答えを聞いているのかどうか、ドランゴは判別がつかなかった。レックのその言葉は自分自身に問いかけるようでもあったからだ。ドラゴンは血に酔いやすい。魔物の中でも頂点に立つほどの強さを持った魔物であるせいか闘いの血が騒ぐとたまに我を失うことさえあった。ドランゴン職も然りで、ドランゴは闘いの終わった直後に一人で呆然と立ち尽くしながら、目だけが魔物を追おうとする獣と化しているレックを見たこともあった。完璧に意識が魔物になるわけではないので、それについて悩むことも多いのだろう。ドランゴはよく分からなかったが、黙って肉を頬張り続けた。こういう風に己に一人きりで問いかけてくる人間は、大抵一人で考え込みたいだけなのだ、ということを最近ドランゴは気づいた。彼らの役に立つならば、この背ぐらいいくらでも貸そうと思う。
「魔物の力と向き合おうって、思ったんだけどなぁ。・・・どれだけ強くなれば、俺は自分に打ち勝てるんだろう。そうしたら、セーラのことも・・・」
ぽつり、ぽつりと呟かれる言葉がどんどんと消え入っていく。ドランゴはそれを黙って聞き、食事を終えてからも無理に声を上げずに静かにレックを待った。
「結局、成長してるもんだって勝手に思ってたけど、根本的なところはなにも・・・変わってないんじゃないかって思うんだ。たまにさ。こんなに強くなってるのに、やっぱり俺は俺でしかないわけで・・・いや自分が自分以外になるのはそりゃ無理だけど、そういう意味じゃなくて、もっと根本的な意味でさ・・・・?・・・・・駄目だ。自分で何言ってるのか分からなくなってきた・・・っ!」
ぐわあああ、と頭を掻き毟り、レックはがばりと身を起こした。「ドランゴ、ちょっと外行って戦わないか!」
べろりと皿を舐め上げて、ドランゴは満足そうに一度喉を鳴らした。戦うのは大賛成だ。ふんふんと嬉しそうに鼻を鳴らしながらレックの腹に鼻面を押し付けて了解の意を伝えると、レックは皿を手にとって、じゃあ行こう、と一足先に馬車を出た。ドランゴもその背を追って、ご同輩の悩みのために精一杯働こう、と上機嫌で吼えた。
宿屋に泊まるときパーティメンバーでありながら魔物であるドランゴは厩舎に置かれた馬車の中で大人しくしているしかなかった。ルーキーなどの小さな魔物はレック達の持つ荷物袋に潜んで部屋まで行けるのだが、いくらなんでもドランゴは大きすぎた。ふかふかのベッドなどというものはレックの地元であるレイドックでしか味わえないものだ。
いつもの通りに馬車の中で丸くなっていると、その扉に値する布がばさりと捲られて、レックがひょこりと頭を覗かせた。手には分厚い肉の塊を乗せた皿を持っていて、ドランゴが目を覚ましていることに気が付くとにかっと笑ってほら、ご飯と言いながら馬車の中に乗り込んでくる。
「この村って上質の肉が取れるらしいから、奮発して買ってみたんだけど、美味いかな? 今日はドランゴにすっごく助けられたし、お礼がどうしてもしたくてさ」
そう言ってドランゴの顔の前にごとりと皿を置く。外側だけを焼いた完璧なレアだ。ドランゴの好みを把握している。
ドランゴはふんふんと小さな鼻を動かしてその肉の匂いを嗅いだ。喋られずとも一応人間の言語は少しは理解できた。どうやら美味しい肉らしい。匂いで違いを判別してみようかと思ったが、やはりそれには大した匂いは無いらしい。
「レアで良いよな? 俺はドラゴン職についてた時はミディアムとかより生肉の方がなんか美味く感じたんだけど、やっぱり人間の舌とドラゴンの舌って違うのかな? 胃も頑丈になるし、ドラゴンってやっぱり凄いよなぁ」
どうやらドランゴが食べ終わったあとの皿を持っていくまでここにいるつもりらしい。ドランゴはレックが離れるのが寂しかったのでゆっくり食べようと考えついて、肉の塊をのんびり味わって咀嚼しようとした。人間の好きなように加工されているせいでドランゴが好きな血生臭さがあまり無くて少しがっかりしたが、上質なのは確かなのか、ドランゴはのんびりと舌鼓を打つ。
「美味いか?」
「グルルル・・・」
喉を鳴らせばよかったぁ、とレックはほっとしたように笑う。寝転がるドランゴの背に凭れかかり、しばらくじっとしていた。何かしたのだろうかと思う反面、どうせ喋れないのだという諦めのせいでドランゴは目の前の食事にだけ気をつかおうと決めた。レックはしばらくドランゴの背に寄りかかっているかと思うと、なぁドランゴ、とぽつりと聞いた。
「やっぱり人間が食いたくなったりするのか?」
答えを聞いているのかどうか、ドランゴは判別がつかなかった。レックのその言葉は自分自身に問いかけるようでもあったからだ。ドラゴンは血に酔いやすい。魔物の中でも頂点に立つほどの強さを持った魔物であるせいか闘いの血が騒ぐとたまに我を失うことさえあった。ドランゴン職も然りで、ドランゴは闘いの終わった直後に一人で呆然と立ち尽くしながら、目だけが魔物を追おうとする獣と化しているレックを見たこともあった。完璧に意識が魔物になるわけではないので、それについて悩むことも多いのだろう。ドランゴはよく分からなかったが、黙って肉を頬張り続けた。こういう風に己に一人きりで問いかけてくる人間は、大抵一人で考え込みたいだけなのだ、ということを最近ドランゴは気づいた。彼らの役に立つならば、この背ぐらいいくらでも貸そうと思う。
「魔物の力と向き合おうって、思ったんだけどなぁ。・・・どれだけ強くなれば、俺は自分に打ち勝てるんだろう。そうしたら、セーラのことも・・・」
ぽつり、ぽつりと呟かれる言葉がどんどんと消え入っていく。ドランゴはそれを黙って聞き、食事を終えてからも無理に声を上げずに静かにレックを待った。
「結局、成長してるもんだって勝手に思ってたけど、根本的なところはなにも・・・変わってないんじゃないかって思うんだ。たまにさ。こんなに強くなってるのに、やっぱり俺は俺でしかないわけで・・・いや自分が自分以外になるのはそりゃ無理だけど、そういう意味じゃなくて、もっと根本的な意味でさ・・・・?・・・・・駄目だ。自分で何言ってるのか分からなくなってきた・・・っ!」
ぐわあああ、と頭を掻き毟り、レックはがばりと身を起こした。「ドランゴ、ちょっと外行って戦わないか!」
べろりと皿を舐め上げて、ドランゴは満足そうに一度喉を鳴らした。戦うのは大賛成だ。ふんふんと嬉しそうに鼻を鳴らしながらレックの腹に鼻面を押し付けて了解の意を伝えると、レックは皿を手にとって、じゃあ行こう、と一足先に馬車を出た。ドランゴもその背を追って、ご同輩の悩みのために精一杯働こう、と上機嫌で吼えた。
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