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DQ6メインのDQ雑多ブログ
夜が来るたびに君のなまえをよぶよ
2009.12.07 (Mon) | Category : DQ6:ss
エンディング後のバーバラと6主で。
主バラ・・・かなぁ。限りなく距離の近い友情って方向でお願いします。
こういうパターンもあるかもしれないという勝手な捏造話。
ノーマルだったら主バラが好きなんですけどもね!漫画のバーバラはたいそう可愛いと思う。
ちょっと痛い表現があるかもしれないけれどそうでもない。
飛来したキメイラの嘴を縦に叩き切り落とし、もんどりうって転がるその背に構わず刃を振り下ろした。単独で飛び出してきた間抜けに構っているほど暇ではない。いつの間にか囲むように陣形を組んで、3体のキメイラは既に胃に溜め込んだ業火を喉から吐き出す寸前だ。
「フバーハ!」
寸前で息攻撃を弱体化させる防御呪文を唱えても、3方向から襲ってくる炎の渦の中ではそこまで意味を持たない。全身が火達磨になったかのような痛みに襲われ、回復呪文を唱えようと口を開ければ喉さえ焼け爛れてしまいそうだ。レックは朦朧とした意識の中でかつての旅のなかで習得したドラゴンの胃から灼熱の炎を吐き出す。激しい炎を巻き込みながら大地を焦がさんと荒れ狂う炎に紛れて、レックは咳き込みながらその場から退散した。
「げほっ、がはっ!」
転がるように近くの岩場に逃げ込めば、突然と体の力が抜けてその場に倒れ伏してしまう。ぜぇぜぇと荒い息を吐きながら、痛みを覚える己の足を見れば炎によって焼け焦げたブーツが自分の足に張り付いて焦げていた。皮膚が焼け焦げる匂いに釣られて魔物が寄ってくるよりも先にこれをどうにかしようと思い、靴を脱ぎ捨て足を引き摺りながら再び少し離れた岩の影に身を寄せる。
「ベホマ・・・」
回復呪文によってあっという間に目に見える傷は消え去ったが、じとりと額に浮いた汗は消えることは無い。体にどっとかかる目に見えない重みが先ほどよりも増したように思えた。
「はっ、はぁっ・・・・げほっ」
一人で旅をしてみると、今までの旅がどれほど楽だったかということが思い知らされた。思い返せば、自分ひとりきりで旅をした時間など、ライフコッドからレイドックまで行くほんの小さな道のりだった。ハッサンが一人いるだけで、どれ程心強かったか。ミレーユが、バーバラが、チャモロが、アモスが、テリーが、ドランゴが。
「・・・バーバラ」
あの長い時間を掛けて世界を共に旅した友の一人は、もう会えない。遠い世界へ行ってしまった。彼女が最後に見せたあの、誰をも元気付けるような笑顔を見ることはもう無い。
魔物の巣窟で一人きりで、彼女と再び会う方法を探してうろついて何日が経っただろう。既に自分の進むべき道を見つけ、各々の旅路に踏み出したかつての仲間たちとは違い、レックには未だ、レイドックの王子としての覚悟が足りない。かつて体を二つに分ける前、レイドックから逃げ出し妹の死から逃げたレックは、一人きりでそれに立ち向かえない。
それよりも先に、やらなきゃいけないことがある、とレックは思った。だから探し始めた。誰の手も借りることなく、今度こそ自分の意思で、自分の力で遣り遂げる、と。
バーバラにもう一度会って、精一杯やってできないことなんてない、俺は、僕は・・・・。
ぎぃぎぃと軋むような声を上げて魔物の気配が迫っていた。レックはその手に掴んだラミアスの剣を、もう離さないように持っていた包帯で手に縛り付けると、再び立ち上がり、その戦火に飛び出した。
一方その頃みたいなバーバラ話も書こうかと思ったけれどなんだか雲行き(話ずれそうな予感)が怪しくなってきたので打ち切り。
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