Please wait until thick shadows come.

「・・・・・・・・」
「あら、もう上がったのレック」
「んじゃ俺次入っていいか？」
「ああ」
「どうぞ」
「・・・・」
「？どうしたのレック変な顔して」
「いや・・・あのさ、今日この宿俺達しか泊まってないよな？」
「そうだね」
「ミレーユかバーバラ、怪我してるんじゃないか？」
「へ？」
「どうして？」
「床に血があったんだけど」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「え、大丈夫ですか？治しましょうか？」
「・・・あ、えーと」
「ちょっとした傷だからって放っておくと悪化するかもしれないぜ」
「・・・いえ、大丈夫よ。今まで気が付かなかったぐらいで、お風呂から上がったときに気づいたちょっとした傷だから。自分で治したわ」
「え、ミレーユ・・・」
「そうなんですか？気をつけてくださいよ」
「毒とかあったら大変だもんな」
「ええ、ありがとう。ところで、明日から私とバーバラは最後にお風呂使わせてもらうようにしていいかしら？お風呂の前にちょっと私たち二人で魔術の勉強とかしようと思って」
「え、別に構わないけど」
「・・・・・・・・・・・あ、なるほど・・・」
「？何がなるほどなんですか」
「いや、何でもねぇよ。じゃ、風呂入ってくるわ」
「・・・・・・・？」

　あれの日とか。主は多分気づかないと思う。チャモロも多分気づかない。言われれば分かるだろうけど。テリーも気づかない。ハッサンは察した。