Please wait until thick shadows come.
DQ6メインのDQ雑多ブログ
ねえさん
2009.12.21 (Mon) | Category : DQ6:ss
ドランゴと●●シリーズ第3弾。ミレーユ。
友人がやたらとミレーユのことを「ミルフィーユ」と呼ぶ。美味しそうだけど!!ちょっと似てるけど!!
ミレーユの肩からでてるリボンは永遠の謎である。
話は変わりますが、破壊の鉄球を装備できるのってハッサンとテリーだけなんですよね・・・(攻略本情報)
つまりパーティ内の力って、
ハッサン>テリー>6主>チャモロ>バーバラ=ミレーユなんですかね?
ミレーユはたまに、歌を歌った。小さな、単調の歌だ。子守唄よ、と彼女はすぐ隣でまどろむドランゴに言った。彼女はいつでも優しい声音で、透き通った水のように涼やかで、美しかった。ドランゴでさえ、彼女が「うつくしいもの」だということを知っていた。
彼女の子守唄を聞くと、魔物さえ眠った。しばらく前、彼女が何を思ったか、突然『遊び人』という職業についた時のことだ。戦いの途中にふと天啓でも得たかのように、レックの命令を無視して歌い始めた。と、言っても、レックは常にパーティのメンバーに、自分で考えて行動するように言い渡しているので、別に命令を無視したというわけでもないのだが。それでも、突然歌いはじめたミレーユに、その場の全員が驚いたものだった。
「小さいころ、テリーによく歌って聞かせたのよ」
テリーだけではない。彼女は、彼女が愛した全てのものに、その歌を歌ってあげた。ガンディーノで攫われ、牢獄の中で泣く子供のために。子供を亡くした大人のために。死にゆく老人のために。
特別、上手いというわけではなかった。ただ、しばらく聞いていると、まるで目に見えない父と母が、自らの傍らで見守ってくれているかのような温かさがあった。それだから子守唄というのよ、と眠りそうになるレックに教えた。
「レックも、小さいころはきっとレイドックの王妃に子守唄を歌ってもらった経験があるんじゃないかしら?」
「でも、魔物でさえもミレーユさんの子守唄で眠ります」
チャモロは乾いた木の枝を焚き火にくべながら、少し微笑んで言った。
「もしかしたら、全ての生命の根源に語りかけるほどの力が、あるのかもしれませんね」
そうだとしたら、それは凄いことだ。ドランゴはぼんやりとした頭で思った。奏でられる優しい、少し寂しい子守唄に聴き入るドランゴは、ゆっくりと息を吐く。背に寄りかかるレックを起こしたくなかった。その様子に気づいてか、ミレーユがその綺麗な手をそっとドランゴの頭に乗せ、労わるように撫でた。
「そんな崇高なものじゃないわ。きっと、もっと単純なものよ」
「じゃあ、なんだと思いますか?」
「そうね・・・・・・・・・・それはきっと、母の愛だわ」
思いに耽るような声音で、ミレーユは言った。言葉は夜の帳の落ちた空気をそっと震わせた。それでもけして形は残さず、あっというまに夜の美しさに溶けた。
「眠るという自らを無防備な状態にするときに、傍にいるということを、教えているんだわ。夢の中にいても、大丈夫だと。一人じゃないと。その思いやりが、思いの強さが、優しさの欠片が、人の手によって伝わっていったのね」
ミレーユはうとうとと瞼を下ろしそうになるドランゴへふと微笑みかけ、既に眠ってしまったレックを見て噴出した。そうね、その形も、一種の子守唄なのでしょうね、と囁く。ドランゴは、夢の世界に半分飛び立って行ってしまった意識ではその言葉がよく分からなかったけれど、ミレーユの言っていることはきっと正しい、と思った。その方がいい、と思った。ミレーユの子守唄は、誰にでも平等に与えられる母の愛だとして、それ以上素晴らしい結論があるだろうか?頭を撫でるミレーユの綺麗な指が、そっと離れたのに気づきながら、それでもなくならない子守唄をすぐ傍で聞いて、ドランゴは眠った。温かさは、ずっとなくならなかった。
彼女の子守唄を聞くと、魔物さえ眠った。しばらく前、彼女が何を思ったか、突然『遊び人』という職業についた時のことだ。戦いの途中にふと天啓でも得たかのように、レックの命令を無視して歌い始めた。と、言っても、レックは常にパーティのメンバーに、自分で考えて行動するように言い渡しているので、別に命令を無視したというわけでもないのだが。それでも、突然歌いはじめたミレーユに、その場の全員が驚いたものだった。
「小さいころ、テリーによく歌って聞かせたのよ」
テリーだけではない。彼女は、彼女が愛した全てのものに、その歌を歌ってあげた。ガンディーノで攫われ、牢獄の中で泣く子供のために。子供を亡くした大人のために。死にゆく老人のために。
特別、上手いというわけではなかった。ただ、しばらく聞いていると、まるで目に見えない父と母が、自らの傍らで見守ってくれているかのような温かさがあった。それだから子守唄というのよ、と眠りそうになるレックに教えた。
「レックも、小さいころはきっとレイドックの王妃に子守唄を歌ってもらった経験があるんじゃないかしら?」
「でも、魔物でさえもミレーユさんの子守唄で眠ります」
チャモロは乾いた木の枝を焚き火にくべながら、少し微笑んで言った。
「もしかしたら、全ての生命の根源に語りかけるほどの力が、あるのかもしれませんね」
そうだとしたら、それは凄いことだ。ドランゴはぼんやりとした頭で思った。奏でられる優しい、少し寂しい子守唄に聴き入るドランゴは、ゆっくりと息を吐く。背に寄りかかるレックを起こしたくなかった。その様子に気づいてか、ミレーユがその綺麗な手をそっとドランゴの頭に乗せ、労わるように撫でた。
「そんな崇高なものじゃないわ。きっと、もっと単純なものよ」
「じゃあ、なんだと思いますか?」
「そうね・・・・・・・・・・それはきっと、母の愛だわ」
思いに耽るような声音で、ミレーユは言った。言葉は夜の帳の落ちた空気をそっと震わせた。それでもけして形は残さず、あっというまに夜の美しさに溶けた。
「眠るという自らを無防備な状態にするときに、傍にいるということを、教えているんだわ。夢の中にいても、大丈夫だと。一人じゃないと。その思いやりが、思いの強さが、優しさの欠片が、人の手によって伝わっていったのね」
ミレーユはうとうとと瞼を下ろしそうになるドランゴへふと微笑みかけ、既に眠ってしまったレックを見て噴出した。そうね、その形も、一種の子守唄なのでしょうね、と囁く。ドランゴは、夢の世界に半分飛び立って行ってしまった意識ではその言葉がよく分からなかったけれど、ミレーユの言っていることはきっと正しい、と思った。その方がいい、と思った。ミレーユの子守唄は、誰にでも平等に与えられる母の愛だとして、それ以上素晴らしい結論があるだろうか?頭を撫でるミレーユの綺麗な指が、そっと離れたのに気づきながら、それでもなくならない子守唄をすぐ傍で聞いて、ドランゴは眠った。温かさは、ずっとなくならなかった。
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