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DQ6メインのDQ雑多ブログ

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2025.04.19 (Sat) Category : 

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欲望に負けた

2010.01.10 (Sun) Category : DQ6:ss

 テリ主大好きだー!とか今まではっきり言ってこなかったけど言います。テリ主が・・・好きです!!(だっ
 でも決して・・・決してイケメンに流されたわけじゃない!ツンデレに燃えたわけでもない!ただ憎しみ→敗北感→一人相撲してる虚しさ→目標っていうテリーの心境の移り具合がときめくっていいますか・・・!!

 テリーに負けた気分だ・・・ちっ違う!絶対にお前に負けたわけじゃないんだからなああああああ顔狙いじゃないんだからなあああああ
 
 主人公が格好よければそれでいいんだ私は・・・くそおおお

 そんな訳でお茶を濁す感じでテリ主。

 大きく振られた刃の切っ先が、微かにテリーの前髪を切り落とした。風に乗ってさらりと落ちるそれの行方も見ないで、テリーは目前に迫った刃の腹の部分を鞘で上に殴り上げる。
 がちん、と金属の噛み合わさったような音を立てて、鋼の剣は無様に真上に跳ね上げられた。その細腕からどうやって力を出しているのか、とレックはほとほと呆れる。跳ね上げられた剣を掴んでいた自分の手がびりびりと痺れていた。
「前見ろ」
 冷たい氷の刃を思わせるような鋭く低い声がテリーの口から零れた。テリーの持つダガーが一切の容赦無くレックの眼球を狙って素早く突き出される。それを首を捻ってかわし、レックは距離を取るために片足をテリーの腹に向けて叩き込んだ。
 しかしそれも既に気づかれていたのか、テリーはするりとレックの膝裏側に周りこむ。その動きにレックは舌打ちしそうになってしまった。誘っているのだ。見れば、テリーはにやにやと意地悪そうな笑みを口に浮かべている。レックは誘いに乗るのが嫌で、蹴りを出した勢いで前に跳んだ。空中で前転するように転げ、草を宙に飛ばしながら無理にテリーから距離を取る。
「70点」
 テリーはそう呟いて、右手に持っているダガーはそのままに、左手の方にいつの間にか持っていた小型のナイフをレックの頭部向けて放った。レックの蹴りを避ける動きから流れるように反転しながらの、まったく滑らかな動きだったので、レックは無様にも「うぉわっ!」と戦士にあるまじき間抜けな悲鳴を上げてしまった。
 頭すれすれを通って背後の地面に突き刺さるナイフの行方を目で見る暇も無い。テリーはそのまま両腕を大きく広げながら一転したかと思えば、その勢いを利用しての回し蹴りを放ってきた。レックは咄嗟に背中に提げていた剣の鞘でそれを防いだ。しかしそれもぎりぎりのことで、拳一個分程度の間を開けて、レックの顔のすぐ近くで止まる。その勢いもかくやという話で、その少しの距離をもって、レックの頬にびりびりと風圧が襲った。
「それは40点」
 テリーのその台詞が聴こえた瞬間、レックが鞘で蹴りを止めた反対側の頬を、がしっとテリーのもう片方の足が固定した。鞘ごと頭をテリーの足でがっちりと固定される、ということをレックが理解した瞬間、そのまま頭が地面に叩きつけられた。テリーが逆立ちの要領で足のみでレックの頭を捕まえると、両手で地面を支え、下半身の力だけでレックを地面にたたきつけたのだ。
「がっ・・・・・・っ!」
「歯、食いしばれよ」
 ぱっ、と頭を固定してた足が離れると、テリーは曲芸師のように逆立ちの状態から飛ぶようにして地面に正しく着地した。それを上下逆に見ていたレックは、くはぁ、と苦しそうに溜息を吐いた。
「また、か・・・テリーお前、踊り子でもやってたのか?」
「いや、これは武闘家の技だ。最初は良かったのに、・・・・舌噛んでないよな?」
 そんな心配をするのならもっと丁寧に倒して欲しい、とレックは心の中で思った。咄嗟のことで歯を食いしばらないまま地面に叩きつけられたが、舌は噛んでいない。後頭部だけがガンガンと痛かった。自分で回復魔法を掛け、既に始まっているテリーの指摘に耳を傾ける。白兵戦、特に人間相手の戦いに置いて、レックはテリーの右に出ることは無い。魔物においては人によっての得手不得手があるが、パーティにおいての対人戦に置いてテリーよりも知る人はない。
「途中の俺が膝裏に回った時に、簡単に誘われなかったのは良かった。あのバランスからの回し蹴りは素人相手には良いが、踵落としじゃない場合の踵からの回し蹴りは最初の蹴りと反発して威力が落ちる。パワーファイター相手だと足を取られて振り回されることもあるしな。前に跳ぶときはもっと早く判断するべきだ。追撃に反応しきれなくなる」
「ああ」
「回し蹴りの対処はガードじゃなくて攻撃に回った方がいい。回し蹴りはほぼ身体の遠心力を使ってるから、途中で軌道修正しづらい。相手の勢いを利用して、相手の足が来る場所に刃を向けてれば高確率で自滅する」
「はぁん」
「なんだその間抜けた声」
「いや、感心してるんだよ」
 レックは一度足を上に上げ、それを振り下ろすことの反動で、ぱっと立ち上がった。いつの間にか手から離れてしまった鋼の剣を鞘に収め、木に寄りかかり自分をじぃっと見てくるテリーに視線を移した。
「ありがとう。そろそろ戻ろう。井戸も使わせてもらうか」
「・・・レック、悪いが、足元のナイフ取ってくれるか」
 テリーが仏頂面のまま言ったのは、ついさっきの戦闘でテリーがレックに向けて放った小さなナイフである。殺傷能力が低いが、テリーの愛用品である。日常で使うことの方が多い、小刀だ。レックはしゃがみこみ、それを地面から抜き取ると、腰に引っ掛けていた布で土を拭い、テリーに渡した。テリーはそれを無言で取る。
 と、テリーの手がナイフを素通りしてレックの手を掴んだ。レックが不思議に思って頭を上げるより早く、テリーはまったく違和感の無い動きでレックの手に唇を押し付けた。
「・・・・・ん?」
「・・・・・・・・・・・・反応、全然できないな」
 苦し紛れ、とでもいうような歯切れの悪い言葉をぽつ、と呟いて、テリーはレックの手からナイフを取ると、さっさと宿屋へ歩いて行ってしまった。突然キスをされた手と、テリーの背を交互に見ながら、レックは再び、んん?と混乱したような呻き声をもらした。
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